コラム

税理士による身近な会計コラム

生命保険に関する経理処理について(その1)

第04回 17年09月更新

石田昇吾氏

第4回は、法人が支出した生命保険の会計処理について、具体例を挙げながら説明したいと思います。

 

■会社が養老保険の保険料を支払ったとき

 

①死亡保険金受取人が法人、満期保険金受取人が法人、被保険者が役員の場合

養老保険とは、「老後を養う保険」のことで、貯蓄性の高い保険になります。

貯蓄性が高いため、支払った保険料は、全額、保険料積立金(投資等の部)として処理します。

 

保険料積立金 30,000円       現金預金 30,000円

 

②死亡保険金受取人が役員従業員の遺族、満期保険金受取人が法人、被保険者が役員・従業員全員の場合

この場合は、貯蓄と保障(福利厚生)の両方の意味合いがあるため、保険料のうち半額は、保険料積立金(投資等の部)として処理し、残りの半分を支払保険料として費用処理します。

 

保険料積立金 15,000円       現金預金 30,000円

支払保険料  15,000円

 

③上記①の保険料に付帯する損害特約の保険料を支払った。

特約保険料は、期間の経過に応じて費用処理されます。

 

支払保険料 1,000         現金預金 1,000

 

■定期保険を支払ったとき

 

①定期保険を支払った

定期保険は、保障に特化した低額な保険商品で、掛け捨てが基本となりますので、支払った保険料は、全額、支払保険料として費用処理します。

 

支払保険料 3,000         現金預金 3,000

 

②長期平準定期保険(いわゆる100歳定期)を支払った

死亡保険金受取人が法人、満期保険金受取人が法人、被保険者が従業員又は役員の長期平準定期保険に加入する場合があります。節税が主な目的となります。長期平準定期保険は、保険満了期間が70歳を超えるまで支払うため、定期保険でありながら長期にわたって支払われ、解約返戻金の金額も多額となることから、貯蓄性も兼ねそろえた保険商品といえます。そのため、保険料のうち半額は、保険料積立金(投資等の部)として処理し、残りの半分を支払保険料として費用処理します。

 

保険料積立金 15,000       現金預金 30,000

支払保険料  15,000

 

③逓増定期保険を支払った

逓増定期保険は、ある程度高齢の役員の退職金を積み立てるために利用されることの多い定期保険です。期間の経過とともに保障金額が最大で5倍まで増加する特徴を持っています。経理処理は、保険料のうち半額は、保険料積立金(投資等の部)として処理し、残りの半分を支払保険料として費用処理するのが原則ですが、保険商品によっては、全額、

支払保険料として費用処理するものも存在しますので、保険証券等をよく確認の上、処理するようにしてください。

 

保険料積立金 50,000       現金預金 100,000

支払保険料  50,000

 

又は

 

支払保険料 100,000         現金預金 100,000

 

 

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より、税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、年商1000万円以下の小規模事業者向けの決算申告サービス(http://zeirishikessan.net/)も実施している。