コラム

税理士による身近な会計コラム

有価証券に関する経理処理について(売買目的有価証券 編)

第07回 18年04月更新

石田昇吾氏

①証券会社を通じ、A社の株式1,000株をトレード目的で購入した。1株当たり100円、

売買手数料は、7,000円(税別)であった。

 

売買目的有価証券 107,000       現金預金  107,560

仮払消費税等      560

 

※「金融商品に関する会計基準」により、短期のトレードを目的に取得した有価証券は、「売買目的有価証券」という科目を使います。売買手数料は取得に要した費用のため、取得原価に加算します。消費税は、有価証券取引自体は、非課税となりますが、売買手数料は課税の項目になるため、その分の仮払消費税は別記します。

 

 

②①の有価証券を1株当たり120円で売却し、売買手数料7,000(税別)を差し引かれた

残額が普通預金に入金された。

 

普通預金    112,440       売買目的有価証券         107,000

仮払消費税     560    売買目的有価証券売却益      6,000

 

※売買手数料は、売買目的有価証券売却損益に加減算します。なお、消費税は、売買手数料は課税の項目になるため、その分の仮払消費税は別記します。

 

 

③①の有価証券を保有したまま、決算を迎えた。期末の時価は、1株当たり130円であった。

 

売買目的有価証券  30,000   売買目的有価証券評価益     30,000

 

※売買目的有価証券は、決算時における時価を持って貸借対照表価額とします。

 

 

④①の売買目的有価証券をその他有価証券に保有目的を変更した。

なお、①の有価証券の時価総額は、101,000円であった。実効税率は40%とする。

また、期末時の評価は、全部資本直入法とする。期末時の時価は、91,000円

ア)振替時

 

その他有価証券          101,000       売買目的有価証券  107,000

売買目的有価証券評価損  6,000

 

イ)期末時

 

繰延税金資産              4,000       その他有価証券  10,000

その他有価証券評価差額金  6,000

 

※売買目的有価証券やその他有価証券から満期保有目的債券への振り替えはできません。また、④の売買目的有価証券からその他有価証券への振り替えは、トレーディング取引を行わないとした場合にその時点で振替が認められます。その時の評価差額は振替時の純損益に計上します。

 

 

以上 今月は売買目的有価証券の会計処理を取り上げました。あくまでも一般論ですので、専門家とよく確認の上、経理処理するようにしてください。

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より、税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、年商1000万円以下の小規模事業者向けの決算申告サービス(http://zeirishikessan.net/)も実施している。