コラム

税理士による身近な会計コラム

減価償却に関する経理処理について①

第14回 19年02月更新

石田昇吾氏

今回は、減価償却に関する経理処理について解説いたします。

1.【建物の減価償却】

 

当社は、3月決算である。平成30年5月に取得価格15,000,000円の建物を取得し、同月中に使用を開始したが、期末に耐用年数50年で減価償却を行った。(定額法を用いる。)

<仕訳> 減価償却費   275,000  減価償却累計額   275,000
<計算方法> 15,000,000円(取得価格)×0.02(1÷耐用年数=償却率)×11ヶ月(使用した分の月数)÷12ヶ月=275,000円

※税法上、建物の償却方法は定額法のみですが、平成10年3月31日以前に取得した建物については定率法の選択も認められています。
また、平成19年4月1日以降に取得する建物については、「新定額法」が採用されます。

※「新定額法」とは
法定耐用年数経過時点における残存価額が0円となる償却率により、法定耐用年数にわたって均等に償却する方法。

 

2.【200%定率法】

 

当社は、3月決算である。平成30年6月に取得価格500,000円(耐用年数5年、定額法の償却率を2倍した償却率0.4)の業務用冷蔵庫を取得し、同月中に使用を開始したが、200%定率法により期末に減価償却を行った。
なお、保証率は0.10800で、改定償却率は0.5である。

第1期 減価償却費 166,666    減価償却累計額  166,666
<計算方法> ①    500,000円(取得価格)×0.4×10ヶ月÷12ヶ月=166,666
②    500,000円×0.108(保証率)=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第2期 減価償却費 133,333    減価償却累計額  133,333
<計算方法> ①    (取得価格-166,666【第1期減価償却額】)×0.4=133,333
②    500,000円×0.108=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第3期 減価償却費 80,000   減価償却累計額 80,000
<計算方法> ①    (取得価格―第1期減価償却額―第2期減価償却額×0.4=80,000
②    500,000円×0.108=54,000円
①の方が②よりも大きいので①の金額を使用。
第4期 減価償却費 60,000   減価償却累計額 60,000
<計算方法> ①  (取得価格―第1期分減価償却―第2期分減価償却―第3期分減価償却)×0.4=48,000円
②  500,000円×保証率=54,000円
③  ①よりも②が大きいので、改定償却率を用いて、減価償却を行う。
④  (500,000-379,999【改定前減価償却の総額】)×0.5=60,000
第5期~ 減価償却費 60,000   減価償却累計額 60,000
<計算方法> ①  500,000-379,999―60,000―1=60,000

 

平成24年4月1日以降に終了する事業年度の法人税から適用されます。そのため、4月1日以降に取得する減価償却資産の定率法は、「定額法の償却率」を「2倍」にしたものが「200%定率法」となります。
また、この方法は、耐用年数から経過期間を控除した期間内に帳簿価額を定額法で全額償却することを仮定して計算した償却費を下回るとき(上記の仕訳ですと第4期から)に「定率法」から「定額法」に切り替え、備忘価額まで償却する方法です。

残りは、次回に記載いたします。

著者プロフィール(石田昇吾氏)

クライサー税理士法人 代表 亀戸本店所長 http://www.ishida-tax.net/
明治大学付属明治高等学校、明治大学商学部産業経営学科を卒業。
在学中から税理士を目指し、都内の税理士法人にて、税理士業務全般に従事。
平成23年に石田税務会計事務所を開設。
平成28年より税理士法人化し、名称をクライサー税理士法人へと変更する。
財務面と経営者の視点の両方を兼ね揃えた提案に定評があり、顧問先にじっくりと向き合ったサービスを提供している。
また、仮想通貨に関連する税務業務にいち早く取り組んでおり、独自のサービスも展開している。
(https://www.bitcoin-tax-taisaku.com/)