コラム

業務ツール考察『徒然なるままに、、、』

ナレッジマネジメントの導入方法とは?

第112回 21年11月更新

鈴与シンワートマーケティング部A氏

ナレッジマネジメントという言葉を聞かれたことはあるでしょうか?これは個人や組織が持つ知識やスキルを企業全体で共有し、全体的な生産性を向上させようという経営手法です。このナレッジマネジメントはどのような方法で導入できるのかを見ておきましょう。

 

ナレッジマネジメントってなに?

ナレッジマネジメントとは英語ではKnowledge Managementとなり、日本語では「知識管理」や「知識経営」と訳されます。

ナレッジは知識、知見、ノウハウ、技術力などといった、業務上役立つ幅広い情報を指します。従来は個人が持っていたこれらの知識や熟練工のスキルなどを企業全体で共有し、新たなイノベーション(技術革新)を促し、全体的な生産性を向上させるための管理手法がナレッジマネジメントになります。

ナレッジマネジメントに注目が集まったのは1990年代のことになりますが、現在では世界の多国籍企業の約80%がナレッジマネジメントプロジェクトを実施しています。

企業全体で知識や経験などが共有できれば、新規事業の開発・改善、教育プログラムの効率化、生産性の向上を、それらを持つ限られた人に頼らない形で実行できるようになります。

 

ナレッジマネジメントを導入する方法とは?

一般に、暗黙の知識で、数値化や言語化が難しい技能やノウハウを「暗黙知」と呼びます。これに対し、数値化できる知識を「形式知」と呼びます。

ナレッジマネジメントでは個人や部署が持つ知識を共有する必要があります。そこで必要となるのが暗黙知を形式知に変換するというプロセスです。

ナレッジマネジメントでは共同化、表出化、結合化、内面化という4つのフェーズに分けて実践していくSECIモデルなるものが提唱されています。

共同化では、小グループ内で暗黙知を共有することから始めます。表出化では、共有した暗黙知を文章、図、表、数式などの形式知にして洗い出します。

それができたら結合化のフェーズで洗い出した形式知同士を組み合わせ、そこから新たな知識やノウハウが生み出せないかを全員で考えます。

そして新しい知識やノウハウが生まれたら、内面化のフェーズで各々が暗黙知として新たな知識やノウハウを習得します。このようなサイクルを回すことによって、ナレッジマネジメントが進んでいくのです。

 

ナレッジマネジメントを導入する際の課題と解決方法とは?

ナレッジマネジメントを導入するに当たって、3つの課題があります。一つ目は、トップが強引に始めようとすることで、従業員から反発されナレッジが収集できないという点です。

従業員一人一人が、なぜナレッジマネジメントを実施する必要があるのかを理解する必要があります。言葉を惜しまず、背景もふくめて全員に説明しなければなりません。

ナレッジマネジメントの必要性を従業員に訴えるために、勉強会や報告会を定期的に開催することや、社内グループウェアなどを通じてスムーズに収集できる仕組み作りなどが必要です。

二つ目は、大量の情報が分散し、形式もバラバラなためナレッジを集めるのが簡単にはいかないという点です。

各種データベースを接続するツールを導入すれば、情報ソースを統合することができ、情報を分析したりナレッジとして活用したりすることが可能になります。

三つ目は、多すぎる情報の中から必要なナレッジを選択するのが難しいという点です。多くの情報を強制的に送り込まれると従業員は必要なものを探すのに労力を要し、次第に関心も薄れていきます。

それを防ぐために、ナレッジが必要になった時に検索して手に入れられるプル型に変更するのが有効です。

 

ナレッジマネジメントの成功事例と失敗事例とは?

ナレッジマネジメントの成功例の一つがA社のケースです。A社はヘルスケア商品を提供していますが、顧客からの声を商品開発やサービス向上に直結させる仕組みをとっています。

顧客からの声をナレッジマネジメントシステム上にデータベース化し、商品開発部がいつでも見られるようになりました。

総合ショッピングサイトを手掛けるB社は複数の業務ツールを必要に応じて使い分け、問い合わせ対応に膨大な時間を要していました。導入したナレッジマネジメントにより、問い合わせ対応後の処理時間を約40%削減できたと聞きます。

ナレッジマネジメントでは失敗する例もあります。ナレッジマネジメント経営を導入したC社では、ナレッジの定義やナレッジを登録した後のフローなど、運用の仕組みができあがっていなかったため誰もシステムを活用できずに廃れてしまいました。

またD社では、毎日膨大な量のデータを蓄積し続けました。しかし数千以上のデータベースが乱立することになったのですが、情報整理されず形式もバラバラなデータベースであったため、どの情報がどこにあるのかも分からず誰も見ることが無くなったそうです。

 

ナレッジマネジメントの導入方法について

ナレッジマネジメントは個人等が持つ暗黙の知識(暗黙知)を数値化できる知識(形式知)に変換し、全員で共有するという導入方法になります。
変換の過程では、共同化、表出化、結合化、内面化という4つのフェーズに分けるSECIモデルが使われます。共同化で暗黙知を共有し、表出化で文章、図、表などの形式知にして洗い出します。そして結合化では形式知同士を組み合わせ、新たな知識が生み出せないかを考えます。そして、内面化で各々が暗黙知として知識を習得するというサイクルになります。
ナレッジマネジメントの導入で合理化が図れたなどの成功例がいくつもあります。しかし、失敗例も少なからずあるので、導入にあたっては課題と解決方法を知っておく必要があります。

著者プロフィール(鈴与シンワートマーケティング部A氏)

2016年鈴与シンワート株式会社へ中途入社し、マーケティング部に所属し、今年で4年目。
元々はアシスタント業務をしていたが、現在は宣伝広告・広報担当として自社サービス、IT業界のマーケットを勉強中です。
日々の学習成果をコラムに綴り連載予定!!
よろしくお願いします。

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