コラム

業務ツール考察『徒然なるままに、、、』

ワークライフバランスとワークライフインテグレーションの違いとは?

第59回 20年12月更新

鈴与シンワートマーケティング部A氏

皆さんはワークライフインテグレーションという言葉を聞かれたことはあるでしょうか?ここではワークライフインテグレーションの意味や、ワークライフバランスとの違い、メリット・デメリットなどについて考えると同時に、ワークライフバランスの歴史も見ておきましょう。

 

ワークライフバランスの歴史とは?

ワークライフバランスの歴史を紐解くと、80年代のアメリカにたどり着きます。80年代の後半、バブル景気に沸きたつアメリカ経済は、優秀な女性が子育てなどで仕事を離れざるを得ない状況を打破するために、子育て支援の施策を始めました。

そのため当初は「ワークファミリーバランス」「ワークファミリープログラム」と呼ばれていました。これが90年代に入って、より幅の広いものに進化します。

日本ではワークライフバランスを「仕事と生活の調和」と訳しています。対象が子育て中の女性から、全ての働く人に広がったのです。

「企業戦士」「24時間働けますか?」などのフレーズが流行った時代から、会社への忠誠心だけに縛られない人生の模索が始まったのです。

 

ワークライフインテグレーションってなに?

ワークライフインテグレーションとは、ワーク(職業生活)とライフ(個人生活)を別々のものとして分けるのではなく、柔軟かつ統合的にとらえ、双方の充実を求めるという働き方になります。

ここでは仕事と生活は、どちらも人生の一部であると考えます。生活の質を上げることで、仕事の能率がアップし、生産性の向上や成長拡大に繋がります。

同時に仕事がうまくいくことで、より私生活が豊かになります。つまり仕事と生活は不可侵なものではなく、相乗効果が期待できるものであるということです。

 

ワークライフバランスとワークライフインテグレーションの違いとは?

ワークライフバランスは仕事と生活を「やじろべえ」に例え、双方のバランスをとるという働き方になります。どちらかに偏るとバランスが崩れるというイメージになります。

一方、ワークライフインテグレーションは、仕事と家庭を一つの物としてとらえます。それぞれに線引きをしないことで、お互いに影響を及ぼします。

仕事が上手くいけば家庭生活の満足感に繋がります。また家庭で上手にリフレッシュできれば、気力は充実し仕事へのモチベーションも高まります。

その結果、業務の効率化や業績の向上に繋がるという、まさに相乗効果が期待できるということです。

 

ワークライフインテグレーションのメリットとは?

ワークライフインテグレーションの企業側のメリットとして、生産性が向上するということがあります。従業員が心身ともにフレッシュな状態で仕事に取り組んでもらえるので、仕事に集中できます。その結果が生産性の向上に繋がるのです。

また長時間労働などの是正が可能となります。従業員が短時間で効率よく仕事をするというモチベーションが高まり、長時間労働や無駄な残業が無くなります。

従業員側のメリットとしては、仕事と家庭が両立できるということがあります。「仕事が忙しいので、家族と過ごす時間が取れない」というようにプライベートが犠牲になることが無くなります。家庭での時間を増やしたければ、テレワークを活用して自宅で仕事に専念することもできます。

多様な働き方ができるというメリットもあります。従業員はそれぞれに、育児中、介護中、療養中などの理由で、フルタイムでの仕事が難しくなる瞬間があります。このような場合でも、多様な働き方の中から自分に合った物を選択することができます。

 

ワークライフインテグレーションのデメリットとは?

ワークライフインテグレーションのデメリットでは、まず自己管理能力が低い方は難しいということが考えられます。

仕事とプライベートの境界が無いため、従業員はこれまで以上に自己管理能力が必要となります。自己管理能力が低い方は慢性的な長時間労働に陥り、ワークライフインテグレーションの趣旨から外れてしまいます。

また、従業員の評価制度の設計が難しいというデメリットもあります。

時短勤務やテレワークなど多様な働き方から自分に合ったものを選択できますが、これらの多様な働き方をする従業員を平等に評価するのが難しくなります。職種や労働形態での実情に合わせ、適切で公平な評価基準の策定が求められます。

制度の趣旨を理解してもらう時間を要するというデメリットもあります。

ワークライフインテグレーションの考え方はまだ日本では普及していません。導入にあたっては従業員に趣旨や目的を正しく理解してもらう必要があります。そのためには事前の社員教育や啓蒙活動に時間をかける必要があります。

 

ワークライフバランスとワークライフインテグレーションの違い

ワークライフバランスの歴史は80年代のアメリカに遡ります。当初は対象が子育て中の女性に限られていましたが、後に全ての働く人に広がりました。
ワークライフバランスは仕事と生活を「やじろべい」に例え、双方のバランスをとるという働き方になります。ワークライフインテグレーションは、仕事と家庭を、それぞれに線引きをせずお互いに影響を及ぼし合うものと考えます。相乗効果を期待できる働き方になります。
ワークライフインテグレーションのメリットには、生産性の向上、長時間労働の撲滅、仕事と家庭との両立などがあります。デメリットとしては、自己管理能力を要すること、評価制度の設計が難しいこと、社員教育などに時間を要することなどがあります。
一歩進んだワークライフインテグレーションの趣旨を理解し、仕事と生活が充実できるようにしましょう。

著者プロフィール(鈴与シンワートマーケティング部A氏)

2016年鈴与シンワート株式会社へ中途入社し、マーケティング部に所属し、今年で4年目。
元々はアシスタント業務をしていたが、現在は宣伝広告・広報担当として自社サービス、IT業界のマーケットを勉強中です。
日々の学習成果をコラムに綴り連載予定!!
よろしくお願いします。

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